あの鬼嶋兵伍先生の世界観、またやってくれたわ……!
『都市蝙蝠(としこうもり)』は、単行本『FOCUS』の中でもひときわ異彩を放つ作品。
夜の街の片隅で交錯するノンケ警官と裏稼業スパイの物語なんだけど、エロさも心理描写元に描く“攻め”。
ちょっと寒い夜に読むと、心も体も温まる系(?)の作品です。
ええ、比喩ではなく。ほんとに熱い。
あらすじ(ネタバレなし)
主人公は、真面目一徹の警察官・恩田。
ある日、捜査中に出会ったのが、街の裏社会で動く薬物ルートのスパイ・ウメ。
このウメ、ただの情報屋じゃないのよ。
その身体ひとつで、危険な男たちの間を泳ぐように生きる、したたかで艶やかな存在。
恩田はそんなウメに、警察官としてじゃなく――ひとりの“男”として惹かれていく。
この段階で既に、空気がエロい。
照明が一段階暗くなる感じ。
ページをめくるたびに、ムードランプがつくんじゃないかと思うわ。
感想レビュー
まず言わせて。
「体がエロい」。
もう芸術レベル。肉体の描写がとにかくフェティッシュ。
鬼嶋先生の筆致って、筋肉の流れや汗の質感までリアルで、しかもいやらしくならない絶妙バランス。
恩田のスーツの下の硬派ボディ、ウメの挑発的な目線、そしてふたりの呼吸が交わる瞬間――。
読んでてページが熱を持つってこういうこと。
ストーリーとしても、単なるBLを超えて「信頼と裏切り」「職務と欲望」の間で揺れる男たちの心理戦が巧妙。
最後の展開は、もう「きぃぃぃ!」って嫉妬で叫びたくなるほどの破壊力。
うらやましい。いや、ほんと、嫉妬。
お気に入りメンズ紹介(ゲイ目線)
ええ、もちろん恩田さん。
あの堅物ノンケポリス、タイプじゃない人いる?
最初はクールで距離を取るくせに、いざスイッチ入るとタチ全開。
「おいおい、普段のあの真面目さどこ行ったの?」ってツッコミたくなるギャップ。
あの腕で抱き寄せられたら、どんな悪事も赦しちゃうわよ。
そしてウメ。
彼の媚びじゃない“一途さ”がたまらない。
「一人の男だけを信じて生きる」その覚悟に、同性として胸が締めつけられる。
まさに「都市の蝙蝠」。
昼と夜、正義と悪、愛と欲――そのすべてを飛び回る男。
まとめ
『都市蝙蝠』は、肉体と感情、正義と欲望が見事に交錯する大人のための恋愛譚。
鬼嶋兵伍先生の筆が描く「男のエロ」は、ただの性的刺激じゃなく、“生きること”そのものの匂いがする。
ストライクゾーンが「スーツ×マッチョ×タチ」な人は、間違いなくドはまり。
夜更けに読むと、理性がちょっと危ないです。

